高校をやめてしまった

いじめ・学業不振・何かが合わないなどの理由で高校がやめてしまったという方も多いと思います。実際に高校を辞めてしまう方は少なくありません。平成30年度の高校中退者は全国で49000人ほど、率にすると全体の1.4%ほど。今でも70人に1人程度は高校を1度は中退しているというデータがあります。

ただこの数は確実に減っています。1990年代はコンスタントに年間10万人以上、率も全体の2%から2.5%ほどいました。だいたい1クラスに1人ほどいたことになります。私本人は昭和から平成の移行期が高校生の団塊ジュニアのころの代です。若乃花さん貴乃花さん兄弟・イチローさん・田中律子さん・宮沢りえさん・後藤久美子さんあたりが有名人でいうとおおよその同年代になります。そのころの高校生もやはり年間10万人、2%以上の退学者がいました。そう考えてみると高校退学者・退学率とも減っています。

私たちの高校は当時は年間460名が入学していた超マンモスの公立校です。今は年間200名程度が入学しているようで規模は半分以下になりました。ただ当時の退学者は3年間で6・7名程度だったと記憶しています。450名以上の方が卒業していたはずです。もし年間2%の方が退学と仮定すると3年間で25名程度が辞めることになります。それを考えると4分の1程度なので退学者はかなり少なかった高校といえます。

やはり情報が多くなったことで、合わない・間違った高校に行くことが少なくなったのかなと思います。学部的に合わない・勉強が合わない・怖い子が多い・いじめられそう・先生がやばい・校則がうるさい・スパルタ式進学指導・・・など様々な情報が入ることで行きたくない高校を避けることができます。この面ではプラスの影響が大きいですね。

あとは中学の担任の先生、進路指導の先生などの努力もあるでしょう。あとは高校の先生のサポートなどもそれなりにあるのかなという気がします。あとは年々スパルタ的な先生の割合が減って、フレンドリーな先生が増えてきていることも高校の中退者の減少には役立っていると思います。トータルで考えると良いことの方が多いかなという気がします。

高校中退をしてしまった方からのアンケートから、最もやめてしまった方の最も大きな理由は他の高校に行きたかったからということでした。やりたいことが違う・勉強についていけない・周りと合わないなど様々な理由があるでしょう。以下就職を希望、高卒認定資格を取りたい、各種学校に行きたいなどの順番だったようです。

このようにしてみると高校を中退してしまう理由としては、学業不振、普通科と職業科など行きたい学科の違い、いじめなどの周りの生徒との人間関係、あとは高校というリズムのつまらなさなどが大半なのかなという気がします。

就職したいという方の中には金銭的な問題で就職という方もいるとは思います。ただそれよりも勉強が合わないから仕事した方がいいかなという考えの方が多いはずです。

そして最も多そうなのがいじめなどの人間関係でしょうか?高校は中学に比べるといじめの数や割合は減ります。これは同じような学力・境遇の生徒が多くなるので、いじめ自体は間違いなく減ります。人間的にも大人にもなって、親との人間関係などのストレスが小さくなることもいじめが少なくなる原因としてはあり得そうです。ただそれでも高校でのいじめはありそうです。

では高校をやめてしまうと終わりという考えを持つ方も少なくないと思います。ただ実際は違います。公立高校同士の転校もしようと思えばできます。1年生の早いうちに退学して希望する高校に再度1年遅れで受験することもできます。また通信制高校に編入学・転入学することもできます。また高校を卒業しなくても高卒認定資格を取得できると大学受験資格を得ることができます。高校を経なくても大学に進学できるチャンスもあります。

今は昔に比較して情報が発達したこともあって、高校生世代の方の選択肢も増えてきました。自分のしたいことができるようになったのかなという気がします。あとは親などの金銭問題ですかね。

そこもおじいさん・おばあさんなどの高齢者世代の方が解決することもできます。今やおじいさん・おばあさんがお孫さんの学費や塾費を払っている家庭も少なくありません。おじいさん・おばあさんにとっては孫に夢をかけることも1つの夢です。おじいさん・おばあさんを使うことのできるご家族の方はそこを使ってでも自身の夢や目標を達成するという考え方も全然悪いことではない、むしろ大事なことだと思っています。

発達障害・不登校・退学のような教育の問題をお子さん本人と親だけで解決する必要はないと考えています。最終的にはそこになりますが、おじいさんやおばあさんなどの親族、中学や高校の先生、学習塾の先生、発達支援塾の先生、放課後等デイサービスの支援者、自治体、発達支援センターなど様々なところの相談や助言を得て最善の選択をご家族でしていただきたいと考えています。

参考資料・出典
ずばっと・通信制高校比較:https://zba.jp/tsushin-highschool/cont/tyutai-droppedout/
文部科学省:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/047/siryo/__icsFiles/afieldfile/2012/03/21/1318690_02.pdf