発達障害のお子さんと男女比の割合

日本では発達障害という割合でひとくくりになっている傾向があります。ただアメリカなどの海外ではADHDという診断の出ている方でもアスペルガー症候群が入っている方もいます。またその診断基準も国によっても大きく異なります。また日本のある地域でも発達障害を容易に認めてしまう地域や医療機関とそうでない機関とがあります。

これは私の知り合いの発達障害関係の通信制高校を開校している理事長の方に聞いたことがあるのですが、特に都市部の県では広島県などは特に発達障害を簡単には認めない、怠け者・努力をしない人間という見方をしている方が多いようです。このような地域では発達障害という診断が出にくくなると思われます。3・4年前くらいの話ですがおそらく今も大きな変化はしていないでしょう。

そうなってくると正確なデータを算出しにくいという実情があります。発達障害は内科的なデータでは図れないことが多く、この検証は今後も長く続いていくことになるのかなという気がします。

その中でも発達障害のお子さんの割合を客観的に示していそうなデータとして文部科学省のデータが出てきました。これは2012年のデータとやや古くなっていますが、その時点での発達障害のお子さんはだいたい6.5%程度ではないかと言われています。これは全国の公立の小中学校に通うお子さんのデータです。私立学校に通う方は除いています。

これをみていくと35人学級ではだいたい2人強程度ということになります。学習面の困難さのあるお子さんが4.5%ほど、行動面の困難さのあるお子さんが3.5%ほどとなっています。おそらく前者は学習障害・LDのこと、後者は注意欠陥多動性障害・ADHDのことを指しているのではないかと思われます。

ただ気になることがあります。おそらくこの中には自閉症スペクトラム・ASDのお子さんのデータが含まれているのかということ、あとは2012年のデータなので今から10年近い前のデータになります。そこから発達障害に対しての研究が進んでいるはずなのでもう少し多い、割合が高くなっているのではないかと思われます。おそらく8%から10%程度が該当するのではないか、その中には学校生活を送っていくことにかなりの困難さを抱えている方も2%程度いそうな気がします。決して少なくない数字ではないかと思っています。

あとは発達障害の男女比ですが、数年前ぐらい前は男女比は1:1程度、やや男子生徒の方が多いかなという程度の数字だったことを覚えています。ただどう考えても1:1ではなく男の子の方が多いのではないかと感じています。

私自身も発達障害の支援機関として学習塾・通信制高校や放課後デイなどに関わることがあります。相談に来るご家族の方はどう考えても男の子の方が多いです。男女比で3:1から4:1程度ではないかと思われます。そこでいろいろ調べたところ注意欠陥多動性障害ADHDや自閉症スペクトラムASDは3:1から4:1で男の子の方が多くなっているというデータも出てきています。「なるほど・やっぱりそうだよね」と思いました。ある程度差異があっても男の子の方が明らかに多いなということは分かってきました。

学習障害LDは男女比に大きな差異はなさそうです。ただこれも1.5~2:1程度で男の子の方が多いような気がします。テストの成績を見ても上位には女の子、下位に男の子が固まる傾向が多くなっています。この傾向は昔から変わりません。子どもの発達は女の子の方が早いです。体格も小さい時は女の子の方が大きいくらいです。また精神面でも女の子の方が同学年ではしっかりとしています。学校の成績も女の子の方が優秀というのは小さい学年ほど出ているはずです。ここからもLDもどうしても男の子の方が多いのではないかという気がしてなりません。

ただこの数字にもある程度の誤差を考えないと行けないかなと思っています。これは私の弟の意見なのですが、男の子の親の方が子どもの発達には真剣になる、女の子の親の方がそこまで真剣にはならないのではという意見です。たしかにこの考えも日本の親・特に地方では十分に検討すべきデータになるでしょう。ただそれを割引いても発達障害の男女比が1:1に限りなく近づくことはなく、やはり男子生徒の方が多いだろうなということだけは間違いないかなと捉えています。地域や発達障害の種類によって差はあるも、だいたい男女比2:1から2.5:1程度で男の子の方が多いかなという考えで捉えておきます。

発達障害のお子さんは先生から変な目でみられたり・いじめられやすくなります。そこから学校に通いたくない・行きたくないとなって不登校などの問題になりがちです。最近は特別支援学級やスクールカウンセラーなどの存在によってだいぶ発達障害のお子さんのための教育や支援体制も変わってきました。それでも発達障害や不登校という問題がなくならないのではないかと考えています。

そこからこのサイトでは名古屋発達不登校支援センターという形で名古屋地区を中心にした発達障害・不登校関連の情報を提供していきます。少しでも参考になるところがあれば幸いです。

参考資料・出典
TEENS:https://www.teensmoon.com/pdd/data/
メディカルノート:https://medicalnote.jp/contents/171227-010-KY
発達障害医学の進歩:http://www.shindan.co.jp/view/2081/pageindices/index8.html#page=9