家にも居場所がない

発達障害・不登校などのお子さんで学校にも家にも居場所がないというお子さんが少なくないのではないでしょうか。友達や先生だけでなくお父さんと合わないというお子さんも多くいるのではないでしょうか。

学校で友達にいじめられている、先生も取り合ってくれないどころかいじめっ子の味方に立つ。お父さんも忙しくてたまにお母さんが構ってくれる程度というお子さんもいると思います。とても辛いと思います。

今はゲームやパソコン・タブレットなどでプログラミングなどをして遊ぶこともできます。1人でもできる遊びは多くなったので以前よりも1人でいても息苦しさを感じるお子さんはたしかに少なくなってはいるのかなと感じます。ただそれでもゲームやプログラミングに反対のお父さんもいます。お子さんと考え方の違うお父さんは山ほどいるでしょう。いやそれが普通なのかもしれません。団塊ジュニア世代の私たちでも父親と考えが合う人よりも合わない人の方が多いはずです。考えが合わないということを気にすることはありません。普通の親子はそのようなものです。

ただあまりにも考えが合わな過ぎて、毎日のようにけんかしている・怒鳴り合っている・殴り合っているなどの状況であれば考えなければならないところもあります。

ただお子さんだとまだ自分で生活をすることができません。ですので考えが合わなくても家にいなければならないということが大原則になります。たしかに中高生くらいで自活して生活をすることは困難といえます。不動産屋さんだって簡単に家は貸してくれないでしょう。高齢化率60%とかのど田舎とかに行って高齢者のサポートとかを行えるようなパワフルなお子さんであれば可能性もなくはありませんが、現実的に見てこの世代のお子さんが親から離れて自活をするということは非現実的といえます。

どうしてもお父さんやお母さんと合わない・どうしても居場所を家に持てないというお子さんには、最後の手段として児童相談所・児童養護施設・児童自立支援施設などの施設があります。原則は親と一緒に来ることが求められますが、暴力や暴言などが常に続くという場合などにはお子さんだけが逃げ込むことも可能です。施設に行くことで別のいじめなどのリスクも当然考えられますが、ひとまず両親とどうしても別れたいというので合えばそこで一時的もしくは高校卒業まで預かってもらうという手段もあります。

自宅で事件に発展するような問題になりそうな状態になるよりは、施設で高校まで暮らした方が良いのではないかという選択も考えられます。ただそう簡単にお子さん1人が来て施設が引き取ってくれるかという問題もあります。お子さんが1人で相談するのであれば、相当の覚悟を持って相談をしなければなりません。

ただそこまで行かなくても大変な親子関係の方は少なからずいます。そのような家族が多くならないことを願っていますが、ゲーム・ITなどのデジタル化の大規模な普及もあって、今までとは異なるレベルで親子関係が悪くなっていく家族も増えてきています。今までの家族体制、社会体制ではやっていけないということも国・公共団体を中心に周りの大人なども気づいていく必要があります。

ゲームや勉強をマイペースで行えるお子さんと好きにしたらというご両親であれば、あまり大きな問題は置きにくいと思われますが、そうではなく親は勉強をして大学に行ってほしい、ただお子さんはゲームに夢中もしくは芸能やデザイナーとかに興味があって真っ向対立とか、そのようなご家族も多くなっています。自身でお子さんの進路相談なども行っているので、そのような相談も年に何十から百というレベルで来ます。ですので親子関係もいよいよ根深くなってきたなというのも分かります。私自身は親世代なので親の気持ちも分かります。ただ発達障害・不登校児の支援も行っていますので、現代のお子さんの気持ちもとてもよく分かります。とても難しい問題です。

とにかくどうしても上手くいかないと感じたらお互いが一度距離を置いてみることを勧めています。普通でない生活を経てお子さん・ご両親がどう思うのか?これで寂しいのか・これで良かったのかが分かる時間が1か月から数か月間で答えが出ます。ということなのでどうしても合わないなと思ったらお子さん自身が施設に行く・親が預けてみるという選択肢もありなのかなという気がします。今までよりも親子関係が複雑になっているケースも多いですので、そういう時はとりあえず距離を置いてみる。そこからお互いで考えていくという時間も必要なのではないでしょうか。それが他の家族よりも早く来てしまった。それだけの事かなと感じます。

最もまずいのがお互いが我慢をしすぎて、もっと悪い展開になってしまうこと。これだけは避けていただきたいです。それを避けるための距離を置くことも今は必要なのではないかなという気がします。

参考資料・出典
PIZPARK:https://jinzaii.or.jp/92505